どぷりのめも

名前	独	のーいめーじ
呼称	ドゥー
種族	人間/超越種
性別	男
年齢	不明
身長	170cm
体重	52kg

どこにでもいる平凡を絵に描いたかのような男
あまり手入れされず伸びっぱなしになった白髪のみが場違いな印象を与えている

その正体は人の願いを叶えるという力を持っていたため神として崇められた現人神

柔和で争うことをよしとせず、空想家で夢想家、だれも憎まず恨まず、すべてを愛するまさに聖人と言える性格
しかしながら、彼すらも『力』により変化してしまうため本当のところは不明

もっとも、無縫の「ありのままで自分と向き合って欲しい」という願いを受けてなおあまり変化がなかったため
これ自体が彼自身の持って生まれた性格であったのかも知れない

なお、現在は故人であり
天骸世界の月として世界を見守っている

流れ星が落ちた日、落ちた場所で未開の世界の普通の家庭の子供として生まれる
ただ一つ普通でなかったのは、彼に『人の願いを叶える』という不思議な力がやどったこと
まだ誰もそのことに気付いていない頃は家族のささやかな願いを叶える程度のことだった

しかし、ことはすぐに露呈する
母親から取り上げられた彼は余計なことをせぬように目を蝋で封じ、手足を落とされ、舌を抜かれた
それらの渦中にあった母親により「お前は生まれて来るべきではなかった」「それでも生きていて欲しい」という
矛盾した願いをうけたために、形を持った『願いを叶える現象』といえるものと化してしまう

それでもなお誰も恨むことはなく、常に微笑みを湛える彼はその時点ですでに人としての生を終えたと言える

彼の力を得た世界は急激な発展を遂げる
しかしそれも鬼があらわれるまでのことだった

世界は瞬く間のうちに滅ぼされ、彼だけが残される
だが彼がそれ以前からずっと強大な力により孤独だったことに気付いた鬼は
「同じく孤独であるならば――友にでもなれればよかったのにのう」との願いを口にする

そうして対等と言える友が欲しいという願いにより彼は新たな生を受け
鬼とともに滅びに向かう世界をあとにする

二人はとても長い時間、語らい争い笑い殺しあった
しかしそんなときも永遠には続かなかった

強大な鬼と対等であるために力を酷使し続けた彼に限界が訪れる
死期を悟った彼は別れを告げるが鬼はそれをはねのけた

「おぬしが逝くというのならわしも共に逝こう
　しかし何も残さずに逝くのも惜しい
　孤独というのもいやなものじゃ
　そう――どうせならたくさんのものを残していこうではないか」

彼は最後の力で鬼を大地として作り替え、そして数多の命の種を植えていった
そうして二人は今なお命を産み育み続けている

これは彼の昔話であり世界創世の神話である

他人の願いを叶える力
この力は確率事象時空物理精神魔力運命力あらゆる力に干渉し望む結果を引き寄せる
叶える願いが即物的であったり簡単な場合には即座に、難しい場合でも経過を経て実現させる

この力は強く願われるほど効果が大きくなり、相反する願いであればより強い願いが優先される

ただし、叶うのは「心の底から湧き上がる本当の願い」であり
口に出したことが叶う程度の便利な力というわけではない

またあくまで『他人』の願いを叶える力であるため彼自身の願いが叶うことはない

• 無縫
  • 友であり好敵手であり最愛の人